田んぼや畑、道端でもよく見かける小さな雑草。
ハコベは七草のひとつ。
しかし実際に採取して調理する人は少ない気がします。
そんなハコベの、調べたことをまとめました。
ハコベの基本情報
- ハコベ(繁縷):ナデシコ科ハコベ属 越年草
- 別名:ハコベラ、ハクベ、ヒズル、ヒヨコグサ、ホーベラ、スズメグサ、アサナ、ムシヅリなど
- 自生地:日本各地
- 開花時期:3~9月
- 栄養成分:マグネシウム、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、食物繊維など
ハコベの特徴
全国に生育し、繁殖力が強くどこでも見かけることができます。
特に春から夏にかけて繁茂し花をつけますが、冬でも咲くことがあります。
草丈は10~40cmほどで、花は小さな白い5弁花。
葉は対生し、茎には柔らかい毛が生えています。
昔は食料とされ、また歯磨き粉に利用されるハコベ塩も作られました。
今は小鳥のえさとして利用されるくらいです。
ハコベの呼び名の由来は、平安時代の書の記録から。
「波久倍良(ハクベラ)」が転訛したもの。
ハコベの仲間
ハコベにはいくつか種類がありますが、ハコベと呼ぶものは一般的にコハコベとミドリハコベだそうです。
しかしコハコベは茎が赤紫、ミドリハコベは緑色をしています。
仲間に、草丈が最大で60cmにもなる大型のウシハコベやミヤマハコベなどがあります。
これらも食用にすることができます。
ウシハコベはハコベと同様、小鳥のえさとして用いられてきました。
また、本州~九州に自生するサワハコベもハコベの一種。
サワ(沢)の名の通り、湿り気のある場所に群生します。
ハコベよりも小さく、茎より葉の割合が多いので、ハコベの仲間の中では食べやすいものになります。
ハコベの採取時期
地上部全草が食用になります。
暖かい地方ではほぼ年中採取することができます。
おすすめは開花前の3~5月ごろ。
開花前の若く柔らかい部分を摘み取ります。
ハコベの採取場所と注意
草原や土手、田畑のわきや道端など、どこにでも群生します。
繁殖力が強く、道端にも生えています。
農薬や車の排気ガスにさらされたり、犬の散歩道になっている場所は避け、きれいな環境で摘むようにしましょう。
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
ハコベの調理方法
- 全草:汁の実、和え物、おひたし、炒め物、天ぷら、サラダ、ソース、菓子など
いろいろなバリエーションで楽しむことができます。
あくが少ないので、したごしらえは必要ありません。
生のまま食べられますが、少し青臭さを感じます。
気になる場合は調理前に軽く茹でると食べやすくなります。
ここでは、ハコベのシンプルな調理法を紹介します。
①汁の実
軽く熱湯に通した若葉を食べやすい大きさに刻み、火を止めた味噌汁に入れます。
②和え物
茎を軽く茹でて和え物にするとシャキシャキ感を感じられます。
ドレッシングと合わせて。
③サラダ
生で他の野菜と一緒に。花も一緒に添えるとかわいくなります。
④ハコベ茶
天日干しで乾燥してお茶にできます。
ハコベ塩の作り方
ハコベ塩は調味料としても使えますが、古くから歯磨き用に用いられました。
歯槽膿漏や虫歯予防になり、歯茎を丈夫にします。
- 水洗いした生のハコベをできるだけ細かく刻みます。
- 同量の塩と合わせてすり鉢ですります。
- レンジで様子を見ながら乾燥させます。
生のハコベから青汁を取り塩と合わせて炒る方法や、乾燥させたハコベを粉末にして塩に混ぜる方法もあるようです。
効果は、青汁バージョンの方が高いようです。
ハコベの薬効
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
ハコベは生薬では繁縷(はんろう)と呼ばれ、以下の薬効があると言われています。
- 胃潰瘍や便秘、虫垂炎:
茎葉の絞り汁を飲むか、料理を食べる。 - 腫れ物やつわり:
茎葉をすって塩や酢で混ぜ合わせ塗布する。 - 打撲傷やあせも:
生の葉を絞り、汁を塗布する。
参考になる本の紹介
この記事の作成にあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真などが掲載されていますので、ぜひご覧ください。