名前は知りませんでしたが、何と無く見覚えのある雑草。
夏に畑や道端などで見かけることはありましたが、これが食用になるとは思いもしませんでした。
そんなスベリヒユの調べたことをまとめました。
スベリヒユの基本情報
- スベリヒユ:スベリヒユ科スベリヒユ属 一年草
- 別名:ヒユナ、ヒョウナ、オヒョウ、スベラヒョウ、アカヂシャ、ウマビユなど
- 自生地:日本全国
- 開花時期:7~9月
- 栄養成分:ビタミン、ミネラル、リンゴ酸、ブドウ糖、果糖、ショ糖など
- 薬用効果:抗菌、解毒、利尿作用など
スベリヒユの特徴
日当たりのよい畑や道端、庭などに見られます。
本来は多年草で、日本では越冬ができないため一年草となっています。
赤褐色の茎が地を這って伸び、草丈は15~30cmになります。
葉は肉厚のへら状で弱い光沢があり、1~3cm程の大きさで茎に互生します。
夏から秋にかけて1cmほどの黄色い5弁花を咲かせます。
しかしこの花は午前中にしか見られず、午後にはしぼんでしまいます。
大変繁殖力が強く、こぼれ種子で増え、また葉が一枚落ちても発根します。
昔は救荒植物とされ、東北地方や沖縄では現在でも利用されています。
またフランスではパースレインというハーブの名で市場で売られていたり、東南アジアでは改良種が食用として栽培されています。
スベリヒユとマツバボタンの交配種で、園芸種のポーチュラカがあります。
こちらも食用になります。
スベリヒユの食べられる部位と採取時期
5~11月の全草が食べられます。
地域別では、関西地方以西では5~11月、東北・関東・中部地方は6~10月、北海道では6~9月が採取の適期。
開花前の若芽や若葉を、柔らかな茎先から指で挟み切ります。
花が咲いて種ができてしまうと酸味が強くなり、食べにくくなります。
農家などでは繁殖力の強い雑草として駆除に苦労しているので、根ごと抜き取って採取しましょう。
スベリヒユの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
全国の畑や土手などの日当たりのよい場所に自生しています。
暑さに強く、夏の炎天下でも青々と育ちます。
スベリヒユの調理方法
多食すると下痢になります。
また妊娠中の方や小児は食べてはいけない、ワラビ粉と一緒に食べてはいけないと言われています。
- 若芽、若葉:生食、和え物、スープ、天ぷら、きんぴら、とろろなど
スベリヒユはぬめりと酸味があり、栄養価も高く、和風、洋風、中華など何でも合います。
ここでは、スベリヒユのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
塩を一つまみ入れた熱湯で5分茹で、冷水に10分ほどさらします。
酸味が強くなってしまったものは水にさらす時間を更に長くとります。
肉厚で水分が多い葉ですが、しっかり乾燥させることで保存できます。
①生食
柔らかい若芽や若葉は、洗ってそのままサラダにできます。
他の野菜とともにドレッシングでいただきます。
②和え物
からし醤油和え、マヨネーズ和え、酢味噌和えなど楽しみ方は豊富。
ビールのおつまみにも。
③天ぷら
生のまま衣をつけて揚げます。
酸味が和らぐので食べやすくなります。
スベリヒユの薬効
薬効に関しては、あくまで参考程度に記載しています。
スベリヒユの全草をかんそうさせたものを、生薬では「馬歯莧(ばしけん)」と呼び、以下の薬効があると言われています。
- 便秘、尿道炎、血便など:馬歯莧を煎じて服用します。
- 痔、膀胱炎、下痢の出血:生葉汁を服用します。
- いぼ、にきび、唇の荒れ:馬歯莧または生葉汁で洗います。
- 虫刺され:生葉汁には痒みを取る成分が含まれており、患部に塗布します。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。