田んぼの畦などに見られる白い小花を咲かせる野草、タネツケバナ。
刺激的な辛味と苦味は、まるでハーブのよう。
そんなタネツケバナの、食用として調べたことをまとめました。
タネツケバナの基本情報
- タネツケバナ(種漬花):アブラナ科タネツケバナ属 一年草あるいは越年草
- 別名:タガラシ、ミズガラシ、コメナズナ、カラミゼリ、タゼリなど
- 自生地:日本全土
- 開花時期:2~6月
- 薬用効果:消化促進、利尿など
タネツケバナの特徴
全国に分布する野草で、アブラナ科のクレソンやワサビなども似ています。
秋に芽生えたものがロゼットになって越冬し、田植え準備で米の種籾を水に浸ける頃に花が咲くことから種漬花(タネツケバナ)と呼ばれるようになりました。
葉は互生し、茎の根元と下部に一回羽状複葉をつけ、小葉は細長い楕円形。
開花期に可憐な小さな白い4弁花を多数つけ、花後に果実を結びます。
果実は細長い長角果で、初夏に熟し小さな種がこぼれ落ちます。
似た仲間に、オオバタネツケバナがあります。
タネツケバナより全体的に大きく山地の水辺などに見られ、別名ヤマタネツケバナ。
こちらも食用にでき、愛媛県では「ていれぎ」と呼ばれ栽培されています。
タネツケバナの食べられる部位と採取時期
葉は一年中採取できますが、主に4~6月の若葉、開花期のつぼみや花を採取します。
上部の柔らかな部分を摘み取ります。
ロゼット状の越冬葉も食用にできます。
ナズナにも似ていますが、ナズナも食べられるので気にせず摘みます。
タネツケバナの採取場所と注意
※場所により、いまだに放射線量の高い地域もあります。
自治体の情報をご確認の上、安全を判断してください。
水田の畦や川辺、湿地、土手など湿り気の多い場所に生えます。
街中の公園や街路樹の植え込みの根元でも見られることがあります。
また種からプランターで育てることもできます。
タネツケバナの調理方法
- 若葉、つぼみ、花:おひたし、和え物、サラダ、汁の実、天ぷら、薬味など
タネツケバナにはクレソンに似た辛味や苦味があります。
クレソンと同様に使うのが良いでしょう。
ここでは、タネツケバナのシンプルなおすすめ調理法を紹介します。
したごしらえ
生食できますが、辛味を強く感じる場合は塩ひとつまみを入れた熱湯で2~3分茹で、冷水に7~8分さらします。
①おひたし
軽く茹でて水気を切り盛りつけます。
かつお節や醤油をかけたり、酢味噌などでいただきます。
②サラダ
生のまま他の野菜と一緒にサラダにします。
ピリッとした辛味がアクセントになります。
好みのドレッシングでいただきます。
③薬味
生のまま肉料理や魚料理に添えます。
茹でたものは冷や奴に乗せたり、味噌汁の具に少量使って風味を楽しみます。
タネツケバナの薬効
薬効については、あくまで参考程度に記載しています。
夏に全草を採取し天日乾燥させた煎液は、咳止めや利尿剤に利用されました。
またタネツケバナの辛味は消化促進の役割も果たします。
参考になる本の紹介
この記事を書くにあたって、以下の本などを参考にさせていただきました。
より詳しい情報やレシピ、写真が掲載されていますので、ぜひご覧ください。